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新規事業に必要なことはなにか、きちんと理解していますか?新規事業計画6つのポイント

新規事業に必要なことはなにか、きちんと理解していますか?新規事業計画6つのポイント

記事の監修

株式会社リアルプロモーション 代表取締役松本剛徹

2011年に株式会社リアルネットを創業して、20代経営者ベストベンチャー30に選出される。
現在、全10事業を多角的に展開し、AI・教育・Webマーケティング・プロモーションなど4社を経営。
グループ年商は20億円を突破。事業売却や事業譲渡、会社売却を経験してきたシリアルアントレプレナー(連続起業家)として活躍中。

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いきなりですが、あなたは新規事業に必要なことを、きちんと把握していますか?

もし自信をもって大丈夫と言えるなら、なにも問題ありません。しかし現実には、自分が思いついたアイデアを実現するのに夢中で、新規事業に必要なことを明確にしないまま見切り発進する人も少なくありません。

しかしそういった姿勢では、かりに新規事業がうまくいったとしても、それはあくまでも偶然の産物。なにかきっかけがあれば、すぐダメになってしまうでしょう。

その点、必要なことを明確にしてしっかりと準備した人は、トラブルがあってもなんとか立て直せるものです。

そういったムダな失敗を回避するためにも、当記事では、新規事業に必要なことをわかりやすく解説していきます。

新規事業の立ち上げに必要な5つの条件

新規事業の立ち上げに必要な5つの条件

まずこの章では、新規事業の立ち上げに必要な条件を解説していきます。今回紹介するのは、以下の5点です。

  • ブルーオーシャン市場でシェアを取る
  • 利益率の高さ
  • 初期投資の低さ
  • 在庫リスクをできるだけ減らす
  • リピート販売は可能か

ひとつずつ解説します。

ブルーオーシャン市場でシェアを取る

資金も知名度も少ない中小企業が新規事業を成功させるには、まずブルーオーシャン市場でNO.1のシェアを狙うのがポイントになります。

なぜならば、大手企業がひしめくレッドオーシャン市場で戦っても、勝ち目が薄いからです。

ブルーオーシャン市場というのは「競合が少ない独占市場」を指しており、波が穏やかでほかに漁船のいない、真っ青な海をイメージしてもらえればわかりやすいと思います。

対してレッドオーシャン市場は、競合が血を流しながら争う「激戦市場」という意味です。レッドオーシャン市場ではよほどうまくやらないと、あなたを待っているのは果てしない「価格競争」です。価格競争になれば、中小企業には、まず100%勝ち目はありません。

また時々、「差別化された商品があるから必ず勝てる」と、自信満々の経営者を見かけます。しかしそういった差別化は、よほど特殊なものでもない限り、おそらくすぐに大手企業にマネされてしまうでしょう。

レッドオーシャンに進出するなら、まずはブルーオーシャンでシェアを奪い、知名度と実績をつくってからのほうが、成功の確率はアップするはず。決してムリをしないのが、新規事業でもっとも重要だと私は考えています。

利益率の高さ

利益率の高さも、新規事業の成功には欠かせない要素のひとつです。企業体力が弱い中小企業の場合、薄利多売の競争に巻き込まれるのだけは、絶対に避けなければなりません。

理由はおわかりですよね。前述のとおり価格競争になれば、どうがんばっても、資金力豊富な大手企業には勝てないからです。

具体的な利益率の目安ですが、私個人的には、経常利益の10%をひとつの基準に設定しています。

よく粗利を利益率の基準にしている人もいますが、粗利は業界差が激しいので、正確な判断基準には少々不適当だと思います。

いずれにせよ、人口の大幅な減少が確実視されている日本では、薄利多売はもはや完全にNGな戦略です。できるだけ高利益率が確保できるビジネスを選んでいきましょう。

◆利益率に関する記事は、こちらでも読めます

初期投資の低さ

資金力にハンデを抱える中小企業にとって、いかに初期投資を抑えられるかが、成功の大きなキーポイントになります。

ビジネスのスタート段階で多額の費用をかければ、回収費用と融資の返済という大きな出費が、利益を激しく削りとってしまうでしょう。

とはいえ、最初から初期投資の低いビジネスを探すというのも、少々ズレた考え方です。いくら初期投資額が低くても、市場性が低く、満足のいく売上が見込めないなら、それこそ本末転倒になってしまいますので。

さいわいなことに現在の日本では、ほとんどのプロセスをオンライン化や外注化で、コストカットできます。

したがって投資額でビジネスを選ぶのではなく、「世の中に必要とされるビジネスを選び、あとからコストカットを検討する」という流れは、決して崩さないようにしてください。

在庫リスクをできるだけ減らす

当たり前の話ですが、ムダな経費を削減するためには、在庫の多いビジネスモデルを新規事業として選ぶべきではありません。

在庫を多く抱えるビジネスだと、まず保管する倉庫が必要です。当然管理する人件費もかかるし、扱う商品によっては空調光熱費も割高になるでしょう。

また、決算時期に在庫を適正に管理できないと、経費計上できず、予想外に高額な税金が発生する可能性もあります。

なお今ヒットしているからといって、その売上が10年後も継続しているとは限りません。どんなによい商品でも、世の中の技術革新が進み、3年ももたずに下降トレンドへ突入してしまうのが今の世の中です。

できるだけ、在庫の必要がないビジネスを選びましょう。

新規事業を立ち上げたい経営者や起業家へ

リピート販売は可能か

これからは、サブスクリプションのようなリピート販売が、間違いなくビジネストレンドの主流になっていくでしょう。

テレビや雑誌などのマスメディア離れや、店舗販売の衰退により、今後ますます新規顧客の確保がむずかしくなります。だからこそ、Amazonをはじめ本当に多くの企業が、サブスクリプション形式の契約をメインに打ち出しているのです。

ご存知のかたも多いと思いますが、サブスクリプションとは、定額料金を支払う間だけ、商品やサービスを利用できるシステムのこと。

すぐに思いつくだけでも、以下のようなサブスクリプションがあります。

  • Kindle Unlimited:書籍読み放題サービス
  • Audible:オーディオブック利用サービス
  • Hulu / Netflix:動画配信サービス
  • Adobe Creative Cloud:アプリ定額利用サービス
  • Apple Music / Spotify:音楽配信サービス
  • Oisix:食材宅配サービス

おそらく、すでに上記のサービスを利用しているという人も多いのでは。こういったサービスの場合、営業をかけなくても顧客は長期間利用してくれます。(もちろん、一定数は必ず退会するので、広告戦略は不可欠です)

自分の新規事業もサブスクリプション方式にできないか、最優先で検討してください。

◆サブスクリプションに関する記事は、こちらでも読めます

新規事業計画に必要なこと6点を紹介

新規事業計画に必要なこと6点を紹介

新規事業の立ち上げに必要な5つの条件を知ってもらったところで、今度は新規事業計画に必要なことを6点ご紹介していきます。

  1. ビジネスチャンスをリサーチ
  2. ビジネスアイデアを磨き上げる
  3. 売れるコンセプトを考える
  4. 儲かるビジネスモデルに落とし込む
  5. ムリのない資金調達計画
  6. テストマーケティングで実効性を確認

こちらも、すべて重要なポイントばかりです。抜けのないように、ひとつずつしっかりとチェックしていきましょう。

1.ビジネスチャンスをリサーチ

新規事業でもっとも必要なことはなにかと問われれば、私はこの「ビジネスチャンスのリサーチ」をあげるでしょう。

多くのかたが、自分のやりたいことや好きなことを、新規事業にしたいと考えてしまいます。しかし、この考え方は非常に危険です。

なぜならば、あなたのやりたいことや好きなことが、消費者に受け入れられるとは限らないからです。

それよりも、世の中の不平不満をリサーチしましょう。なにかピンとくる不平不満を見つけ、その解決策を商品化(サービス)できれば、その問題で困っている人は必ず買ってくれます。

では、どうやってその不平不満をリサーチすればいいのでしょうか?

私がビジネスアイデアのリサーチに用いる手法は、全部で12個あります。そのなかでもとくによく使う3つの手法については、別な記事で詳しく紹介していますので、ぜひそちらも読んでみてください。

2.ビジネスアイデアを磨き上げる

リサーチで見つけたアイデアは、通常荒削りすぎて、おそらくそのままでは使えないでしょう。そこで、今回紹介する3つの発想法を使って、もう少し具体的なビジネスアイデアに磨き上げる必要があります。

  • 逆張り発想法
  • 掛け算発想法
  • モノマネ発想法

どれも具体的なアイデアを創出するのに有効なものばかりですが、なかでも掛け算発想法には、とくに念入りに取り組んでいただきたいと思っています。

なぜならば、ものやサービスが飽和状態の日本で、まったく新しいアイデアを出すのは非常に困難だからです。でも掛け算発想をもてば、今までにありそうでなかった斬新な差別化を施すことも可能になります。

たとえば、フィットネス関連の「カーブス」は、「フィットネス × 女性限定 × 短時間」という掛け算思考で、女性用フィットネス業界のトップ企業になりました。(フィットネス業界全体では、売上高第6位)

しかもこの差別化により、大手であるコナミスポーツクラブやセントラルスポーツと、完全に棲み分けができています。(カーブスの発祥はアメリカであり、すでに大企業でしたけれども……)

私たちも、掛け算思考をうまく利用して、カーブスのように大手と戦わないビジネスを目指しましょう。

3.売れるコンセプトを考える

アイデアを磨き上げたら、今度は「売れるビジネスコンセプト」を設計していきます。

ビジネスコンセプトとは、ようするに新規事業を端的に表したキャッチコピーのようなものだと考えてください。

どんなによいアイデアでも、そのよさが消費者に伝わらなければ、商品を購入してもらえません。現在売れている商品(企業)は、必ず秀逸なコンセプトが、世の中に浸透しています。

たとえば、アサヒ飲料株式会社が2002年に発売した缶コーヒー「ワンダ」は、「朝専用コーヒー」というコンセプトが受けて、発売わずか2カ月で約1億2,000万本も売り上げました。

発売20年近くが経過した現在でも、売上対前年比110%(21年5月期)を記録するなど、その勢いは衰えていません。

実際のところ、ワンダがほかのコーヒーよりも朝にふさわしいという科学的証拠は、まったくないでしょう。しかし、「朝飲むならワンダ」というイメージが浸透した現在、朝に缶コーヒーを飲む人の多くは、必ずワンダを買ってくれます。

いかにコンセプト設定が重要なのかが、よくわかる事例ではないでしょうか。

新規事業を立ち上げたい経営者や起業家へ

4.儲かるビジネスモデルに落とし込む

ビジネスアイデアが見つかり、コンセプトも設定できたら、次は具体的な販売方法の検討です。

もうこれは毎回お話ししている内容ですが、「誰に・何を・どう売るか」が明確に設定されていれば、商品は間違いなく売れます。

この時点で何を売るかは決まっていますし、どう売るかはサブスクリプションの項目で解説をしたので、ここでは「誰に」について説明しましょう。

もしかすると、「誰に売るなんていわず、みんなに買ってもらいたい」と、考えている人も多いかもしれませんね。しかし、この「みんなに買ってもらう」という発想は、完全にNGです。

理由は単純。みんなに好かれようとつくられた商品は、どうしても中途半端になってしまい、結局誰からも選んでもらえないからです。

真剣に悩みを解決したい人へ商品を届けるには、そのターゲット層が熱望する特徴を備えた商品が必要になります。そのためには、ターゲットを極限まで絞ることです。ターゲットを絞れば絞るほど、商品は売れます。

この絞ったターゲット層を、ペルソナといいますが、別記事で事例も交えて解説しているので、ぜひそちらも参考にしてください。

5.ムリのない資金調達計画

新規事業の立ち上げには、多額の費用がかかります。中小企業が自己資金だけでその費用をまかなうのはまずムリなので、普通は金融機関などから融資を受けるようになるでしょう。

しかし、申込みをすれば、すぐに満額を借りられるわけではありません。できるだけ希望に沿った融資を受けるためにも、しっかりと融資方法を選んで申し込みをしてください。

私たちが利用できる融資方法は、以下の5つが考えられます。

  • 日本政策金融公庫
  • 民間の銀行
  • 国・自治体の補助金
  • 個人投資家
  • クラウドファンディング

このなかで、最優先に検討すべきなのは、やはり日本政策金融公庫でしょう。日本政策金融公庫は公的な金融機関なので、民間銀行よりも借り入れがしやすく、金利の低さも魅力です。

ただし、日本政策金融公庫の融資にはいくつか種類があり、融資制度ごとに条件が大きく異なります。ベストは保証人や担保のない「新創業融資制度」ですが、融資の成功率は正直あまり高くありません。

融資が下りなければ話になりませんから、その場合は「保証人・担保あり」の融資に申し込むのもひとつの考え方です。

◆新規事業の融資に関する記事は、こちらでも読めます

6.テストマーケティングで実効性を確認

融資が下りれば、いよいよ実際に商品を販売していきます。とはいえ、まずやるべきは、少額でのテストマーケティングです。後々、修正ができなくなりますので、間違ってもいきなり大々的に販売するのだけはやめてください。

テストの方法はたくさんありますが、少なくとも以下の3点は、必ず実施しておきたいところです。

  • アンケートによる「商品のコンセプトテスト」
  • モニターによる「ユーザーの意識調査」
  • 少額なネット広告

いずれにしても、新規事業に焦りは禁物です。一気に売りまくりたいというはやる気持ちを抑え、まずはじっくりと「確実に売れる方法」を探っていきましょう。

まとめ

冒頭でもお話ししたように、新規事業の立ち上げに必要なことを把握していないと、うまくいかないときに的確な対応ができません。

今回の記事では、新規事業に欠かせないポイントを、しっかりとお伝えしてきました。どれひとつとして、外してはいけない重要なポイントばかりです。もしあいまいな箇所があれば、これからひとつずつ、じっくりと検討をしてみてください。

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