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経営者が必ず知っておくべき「多角化経営5つのメリット」とは

経営者が必ず知っておくべき「多角化経営5つのメリット」とは

記事の監修

株式会社リアルプロモーション 代表取締役松本剛徹

2011年に株式会社リアルネットを創業して、20代経営者ベストベンチャー30に選出される。
現在、全10事業を多角的に展開し、AI・教育・Webマーケティング・プロモーションなど4社を経営。
グループ年商は20億円を突破。事業売却や事業譲渡、会社売却を経験してきたシリアルアントレプレナー(連続起業家)として活躍中。

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昔から日本には、なにかひとつのことを極めるのが凄いという風潮がありました。しかし、IT化やグローバル化が進んだ現在では、ひとつのことにこだわりすぎると、トレンドの変化とともに会社も共倒れしてしまう。そんな厳しい時代になりつつあります。

そこで、今注目されているのが、「多角化経営」です。

コロナウイルスの影響により、多くの企業が本業を維持できなくなっているのも、その傾向に拍車をかけているのでしょう。

しかし多角化経営には、1社だけ経営するのとはまた違ったむずかしさがあります。これから多角化経営に乗り出すのであれば、多角化経営のメリットとともに、デメリットもしっかり理解しておかなくてはなりません。

今回の記事では、多角化経営のメリット・デメリット、さらに多角化経営の基本的な考え方について、わかりやすく解説していきます。

成功すればこんなにもよいことが「多角化経営のメリット」

成功すればこんなにもよいことが「多角化経営のメリット」

「多角化経営で収益を増やす」おそらく多角化経営を検討している人は、こんな風に考えているはずです。もちろん間違いではありませんが、多角化経営にはほかにもたくさんのメリットがあります。

途中で簡単に諦めることのないよう、自分がどうして多角化経営をする必要があるのか、スタート前にしっかりと理解しておいてください。

  • 収益増加の可能性が高くなる
  • ほかの事業がダメになってもダメージが少ない
  • リソース共有による相乗効果が得られる
  • 事業規模の拡大により、知名度がアップ
  • ノウハウや人材が社内に蓄積されていく

それではひとつずつ解説します。

収益増加の可能性が高くなる

多くの経営者は「収益増加」を見込んで、多角化経営を検討しているはずです。ひとつの事業から2つ3つと事業内容が増えれば、当然売上は増えるでしょう。

とくに、既存事業のプロダクトライフサイクルが衰退期に突入していたり、コロナウイルスの影響を大きく受けたりしている場合、新規事業にかける期待は非常に大きいと思われます。

しかしせっかく事業を多角化しても、肝心の新規事業がうまく立ち上がらなければ、かえって損失を増やすことにもなりかねません。そういった事態を防ぐためには、どういった業界・業種に新しく事業を展開するか、新規事業の市場選定がとても重要になってきます。

多角化の方向性については、最後の章でくわしく解説します。

ほかの事業がダメになってもダメージが少ない

ほかの事業がダメになってもダメージが少ない」これが、多角化経営2番めのメリットです。1つの事業に売上を依存していると、もしその事業がダメになった場合、会社は簡単に倒れてしまいます。

とはいえ、「自分の事業はそう簡単につぶれないよ」経営者ならそう考えたくなるかもしれません。

しかし、モノやサービスが溢れている現在の日本では、もはや「これをつくれば必ず売れる」という時代は過ぎてしまいました。あまりにも消費者のトレンドが多様化し、さらにその移り変わりが速すぎるのです。

今日売れているものが、1年後も売れるとは限らない、そういった不確定な状況に対応するには、やはり複数の事業でリスクヘッジをするのが一番確実でしょう。

リソース共有による相乗効果が得られる

事業媒体が増えると、人員や施設などの自社リソースを共有でき、相乗効果が期待できます。すぐに思いつくだけでも、以下のような分野で相乗効果が生まれそうです。

  • 既存従業員のノウハウを活用
  • 施設 / 設備機器類の共用
  • 原材料の共用
  • 流通 / 販売網の共用
  • 経営 / 経理など、経営ノウハウの共用
  • 仕入れ量増加による仕入れコストダウン

もちろん、どういった分野の新規事業かによって、既存リソースの活用度合いは変わってきます。

建築資材販売会社がリフォーム会社を設立といったように、同じ業界で横展開する場合は、当然相乗効果はより大きくなるでしょう。反対に、洋服の販売店が飲食店をスタートしても、あまり相乗効果は期待できなさそうです。

いずれにせよ、使えるリソースがあればできるだけフル活用して、コストをかけずにうまく軌道へ乗せていきたいですね。

事業規模の拡大により、知名度がアップ

多角化経営がうまく軌道に乗り事業規模が大きくなれば、人の目に触れる機会が増えて、そのぶん企業名(商品名)が世の中に認知されていきます。

残念ながら、世の中にはよい商品も悪い商品も混在しています。質のよくない商品は買いたくないと警戒する消費者にとって、知名度というのは、いうなれば「信用」そのものです。

本来は、消費者が企業を徹底的に調べればよいのですが、実際にそこまでする人はごくまれでしょう。だからこそ、多くの消費者は、知名度で商品の善し悪しをまず判断します。

つまり、多角化経営で知名度が広がれば、商品を購入してもらえる確率が大きくアップするということです。

「名前の通った会社なら、変なものは売らないだろう」こういった消費者心理の恩恵を、多角化経営で、どんどん享受していきましょう。

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ノウハウや人材が社内に蓄積されていく

多角化経営がうまく進めば、これまで社内に存在しなかった新しい経営ノウハウやスキルが社内に蓄積されていきます。

じつは企業スケールが小さいと、こういったノウハウやスキルを、企業全体として管理するのが困難です。そのため、能力の高い社員が退職してしまうと、経営にも少なからず影響を受けざるを得ません。

その点、多角化経営で企業規模が拡大すれば、社内での統一したルールや意識の必要性がより高まってきます。

企業にとって、「◯◯さんがいないと仕事が回らない」という状況は、絶対に避けなければなりません。多角化経営は、従業員の意識を「個人から企業へ」移行させる絶好の機会なのです。

知らないと大失敗の可能性も「多角化経営のデメリット」

知らないと大失敗の可能性も「多角化経営のデメリット」

さきほどは多角化経営のメリットをお伝えしましたが、デメリットもきちんと押さえておかないと、最悪会社が傾く危険性もゼロではありません。この章では、多角化経営のデメリットを3点紹介します。

  • 新規事業が軌道に乗れず、収益が悪化する場合も
  • 人件費など、固定費が増大する
  • 企業ブランドが不明瞭になりがち

上記は、どれも知らないと危険なものばかりです。ひとつずつしっかりとチェックしてみてください。

新規事業が軌道に乗れず、収益が悪化する場合も

多角化経営最大の目的は、収益の拡大だと思います。しかし、それはあくまでも新規事業がうまくいった場合です。当然、新規事業が軌道に乗らずに、かえって収益が悪化する可能性も考えられます。

というか、経験の乏しい新しい市場に資本を投入するわけですから、既存事業の業務拡大よりも失敗リスクが高いのはある意味当然のことです。

もし新規事業が失敗すれば、金銭面で既存事業に大きな負担をかけることになります。また新規事業の失敗により、金銭面だけでなく、既存事業の信用問題にまで発展する危険性もゼロではありません。

「こんなことなら多角化経営なんてやらなければよかった……」などということのないように、新規事業の計画はそれこそ徹底的におこなってください。

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人件費など、固定費が増大する

多角化経営による人件費や固定費の増加については、十分に留意しておく必要があります。

もし多角化が既存事業の周辺分野なら、人材や仕入れなど、共用できるものがたくさんあるでしょう。ところがまったくの異分野で多角化をすれば、新しく人材を雇い、原材料の仕入れも新規取引先ともっとも悪い条件からのスタートになるはずです。

さらにいったん社員を雇用すれば、事業がうまくいかなくても、簡単に解雇するわけにはいきません。工場や事務所を建てれば、多額の建築費用と維持費がかかります。

こういったコストの増加を少しでも軽減するには、外注やOEMなどの活用が鍵を握っています。見栄をはらずに、ムダな経費が極力かからない経営を心がけていきましょう。

企業ブランドが不明瞭になりがち

多角化経営がうまくいくほど、今まで築き上げた「〇〇なら△△」という企業ブランドが、不明瞭になる可能性があります。

たとえば、今まで地域密着の幼稚園を経営していた企業が、飲食店や介護施設といったまったく関係ない事業を大々的に展開していたら、やはりあまりよい印象は与えないでしょう。

もしなにかトラブルが発生したら、「ほかの事業をやる余裕があるなら、もっと安くしてくれ」などと、余計な反発を受けるかもしれません。

冷静に考えれば、こういった多角化経営はごく当たり前におこなわれていますし、実際なんの問題もありません。

とはいえ、商売は顧客の評判が命です。いわゆる企業ブランドに無用な傷がつかないように、別会社で運営する・商圏エリアをずらすなど、多少の配慮は必要になるでしょう。

多角化経営をするなら、「アンゾフの成長マトリクスをベースに考えよう!」

多角化経営をするなら、「アンゾフの成長マトリクスをベースに考えよう!」

※参考:「アンゾフの成長マトリクス」 | 経済産業省 中小企業庁

「既存商品が飽きられはじめているようだ」「コロナウイルスで売上が激減している」など理由はさまざまですが、とにかく既存事業への依存から脱出して、事業を成長させたいと多くの経営者が考えています。

そういった成長戦略の頼もしいガイドラインとなるのが、経済産業省のサイトでも紹介されている「アンゾフの成長マトリクス」です。

アンゾフの成長マトリクスは、アメリカの経営学者「イゴール・アンゾフ」が考案したフレームワークで、以下4つに分類された戦略で成長を検討していく手法になります。このなかで、多角化経営に直接関係してくるのは、4の「多角化戦略」です。

  1. 市場浸透戦略
  2. 新製品開発戦略
  3. 新市場開拓戦略
  4. 多角化戦略

この章では、この多角化戦略をさらに4つに分類して解説していきます。

  1. 水平型多角化
  2. 垂直型多角化
  3. 集中型多角化
  4. 集成型多角化

「自社には、どの戦略がもっとも適切か」という観点で、ひとつずつ確認してみてください。

新規事業を立ち上げたい経営者や起業家へ

1.水平型多角化

マトリックスひとつめは、既存事業のノウハウを使って、既存事業に近い分野の新商品を販売する「​​水平型多角化」です。

たとえば、もともとワインやウイスキーを製造販売していたサントリーは、ビール(モルツ)や缶コーヒー(BOSS)など、違う種類の飲料を次々と販売してシェアを伸ばしてきました。

まったくの異分野での多角化とは違い、同じ飲料であれば、これまで使用していた設備やノウハウをそのまま流用できます。このように水平型多角化は、既存事業との相乗効果の高さが大きな特徴です。

2.垂直型多角化

垂直型多角化は、その名のとおり、既存事業の上流もしくは下流工程で新事業を展開する方法です。

洋服を例にあげれば、原材料を販売する「繊維会社」→ 洋服をつくる「洋服メーカー」→ 洋服を販売する「小売業者」といった流れを経て、洋服が消費者に届けられます。

もし「洋服メーカーが販売まで一貫しておこなう」それとは逆に「小売店がオリジナルの洋服ブランドを立ち上げる」のように、作業工程を複数まとめあげられれば、そのぶんムダな中間マージンをカットできます。

ただし同じ分野でありながらも、やることはまったくこれまでと異なるため、自社リソースの活用に関してはあまり効果が見込めません

3.集中型多角化

既存事業の技術とノウハウを生かした新商品を違う市場に投入する方法が、「集中型多角化」です。

元々カメラフィルムからスタートした「富士フイルム」は、X線画像診断システムや内視鏡システムなど、医療業界にも積極的に進出しています。フォト関連の会社というイメージの強い同社ですが、実際にはヘルスケア関連事業が売上全体の48%も占めているそうです。

対してフォト関連事業は全体の13%に留まっており、もしフォト関連からメディカル産業へ多角化をおこなわなければ、もしかすると富士フイルムは今頃世の中に存在しなかったかもしれません。

なお、既存ノウハウを利用するという意味では「水平型多角化」と似ていますが、まったく違う市場に展開するところが大きく異なります

4.集成型多角化

集成型多角化は、これまでとはまったく異なる分野に進出する多角化の方法です。当然既存事業のノウハウやリソースを流用できないので、これまで紹介した3つの手法に比べて、リスクの度合いは格段に高くなります

スーパーやコンビニのイメージが強いセブン&アイ・ホールディングスでは、金融業にも進出しています。私個人としても、セブン-イレブンにATMが設置されたときは、本当に衝撃を受けました。

ただし前述のとおり、集成型多角化は、そのリスクの高さが大きな欠点です。セブン&アイ・ホールディングスのような大企業ならともかく、企業体力のない中小企業の場合、慎重に計画しないと既存事業にまで影響が出るかもしれません。

とはいえ逆をいえば、複数の事業を立ち上げることで、片方がダメになってもまったく別なブランドとして生き残りが可能です。ある程度の企業体力が備わったら、積極的に検討してみる価値はあるでしょう。

まとめ

今回は、多角化経営のメリットとデメリット、そして多角化経営の方法を4つ紹介しました。あなたの会社がどの方法を選ぶべきかは、既存事業の経営状況や自社リソース、経営者の考え方などで、大きく変わってきます。

多角化経営へ本格的に乗り出す前に、まずはしっかりと自社の現状を分析しましょう。もし不明な点がある場合は、私どものような新規事業立ち上げの専門家に、ぜひ相談してみてください。

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