記事の監修
株式会社リアルプロモーション 代表取締役松本剛徹
2011年に株式会社リアルネットを創業して、20代経営者ベストベンチャー30に選出される。
現在、全10事業を多角的に展開し、AI・教育・Webマーケティング・プロモーションなど4社を経営。
グループ年商は20億円を突破。事業売却や事業譲渡、会社売却を経験してきたシリアルアントレプレナー(連続起業家)として活躍中。
「どうやったら儲かるビジネスチャンスが見つかるのだろうか」
このように、多くの経営者が、ビジネスチャンスの見つけ方について悩んでいます。
でも安心してください。今回の記事を最後まで読んでいただければ、ビジネスチャンスの見つけ方で悩むことは、金輪際なくなるでしょう。
当記事では、前半でビジネスチャンスを見つけるリサーチ方法を。後半では、ビジネスチャンスの見つけ方におけるNG行為について、詳しくご紹介していきます。
目次
ビジネスチャンスを見つけるリサーチ方法
ビジネスチャンスを見つけるリサーチ方法は、ひとつだけではありません。さまざまな方法があり、自分の好みに応じて、それぞれを自由に組み合わせていけばいいのです。
今回は、必ず知っておいてもらいたい、以下の5点について解説していきます。
- 【最重要】世の中の不平不満を徹底リサーチ
- 3つのオススメリサーチ方法
- まずは既存事業の問題点を探してみる
- 異業種交流会などで、異業種の問題点をヒアリング
- 専門家のアドバイスが受けられる「ビザスク」
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
【最重要】世の中の不平不満を徹底リサーチ
まず結論からいうと、ビジネスチャンスの見つけ方は、「不平不満の解消」のひと言に尽きます。世の中にある不平不満を見つけ出し、その解決法を商品化できれば、新規ビジネスが大きく失敗することはまずあり得ません。
ではなぜ、不平不満の解消がそれほどのチャンスになるのでしょうか。答えは簡単。人は不平不満(困っていること)を解消してくれる商品(サービス)があれば、優先的に購入してくれるからです。
もちろん自分の趣味嗜好のためにお金を使う人もたくさんいますが、正直嗜好品はなくても困りません。しかし、もしも長年悩んできた抜け毛を軽減してくれる育毛剤があったら、困っている人はなにをおいても購入するでしょう。
ということで、「ビジネスチャンスの見つけ方は、不平不満の解消にあり」という大原則を頭に置きながら、具体的なリサーチ方法を見ていきましょう。
3つのオススメリサーチ方法
不平不満のリサーチという大原則を知っていただいたところで、今度は具体的なリサーチ方法を紹介していきます。
私が自分で利用するリサーチ方法は、全部で12個あります。ただし1回のリサーチで全手法を使うことはなく、よく使っているのは以下の3つです。
- Amazonなど、大手物販サイトのレビューチェック
- 不満買取センターのレビューチェック
- ビザスクでの相談
上記3点の詳細については、これまでに何度も紹介していますので、以下の記事で確認していただければと思います。
なおビザスクについては、またのちほど解説します。
◆オススメリサーチ法に関する記事は、こちらでもお読みいただけます
まずは既存事業の問題点を探してみる
不平不満のリサーチが大前提といっても、いきなり異分野の不平不満を探すのは、なかなか骨の折れる作業です。なんといっても、異分野に対する基礎知識が不足していますので。
であれば、まずは基礎知識があり業界情報にも精通している、既存事業の問題点を探してみるのが一番効率的でしょう。
なんといっても、既存事業の問題点を解決する商品ができれば、自社の既存事業の業務改善に役立ちます。
また、既存事業関連の新規ビジネスなら、今ある会社のリソース(設備や機械・人材など)をフルに活用できるかもしれません。そうなれば、投資コストを大幅に削減でき、借入額も抑えられるはずです。
ただしうまく開発を進めないと、情報が漏洩して、同業者にマネをされてしまう危険性があります。情報の漏洩には、くれぐれも気をつけてください。
異業種交流会などで、異業種の問題点をヒアリング
さきほど、既存事業関連のリサーチからはじめるといいましたが、もちろん既存事業にこだわる必要はありません。
ひと通り、既存事業関連のリサーチが終われば、あとは異業種へとリサーチ先をシフトしていただいてもOKです。
異業種のリサーチでは、ネット検索や書籍での情報収集がメインになるかと思います。ただ、異業種の活きた情報を得たいのであれば、リアルな異業種交流会も活用したいところです。
とはいえ、コロナウイルスの影響が大きい現状では、リアルな交流会自体が激減しています。新規参加者がいきなり参加するのは、少々現実的ではないかもしれません。
その代わり、Zoomなどを使用したオンラインイベントが増えていますので、もし気になるイベントや集まりがあれば、ぜひ積極的に参加してみてはいかがでしょうか。
◆情報の収集に関する記事は、こちらでもお読みいただけます
専門家のアドバイスが受けられる「ビザスク」
3つのリサーチ方法でも紹介しましたが、ある程度ビジネスアイデアが固まってきたら、「ビザスク」の活用をオススメします。
ビザスクとは、単発もしくは短期で、専門家のアドバイスが受けられるサービスです。現在のところ、弁護士をはじめ500ものカテゴリに、10万人以上のアドバイザーが登録しています。
通常コンサルタントとは専属契約を結ぶケースも多いのですが、ビザスクなら1回だけの相談が可能なので、費用を大幅に縮小できます。
そもそも、ビジネスアイデアの深堀りの段階なら、単発の相談で十分ですからね。
料金については、自分でコンサルタントを探すか、ビザスクにサポートしてもらうかで変わってきます。セルフの場合、およそ1時間に5,000円〜3万円ほどをみておけば、問題ないでしょう。
ビジネスチャンスの見つけ方で失敗しないコツとは
前半部では、ビジネスチャンスのリサーチ方法を紹介しました。ここからは、ビジネスチャンスの見つけ方で失敗しないコツを6点解説していきます。
- ニッチ市場を狙う
- 自分の好きなこと・やりたいことは後回し
- モノゴトの裏側から考えてみる
- 複数のアイデアを組み合わせたらどうなるか
- 成功事例のよいところだけを参考に
- 最新情報にアンテナを張っておく
ひとつずつ解説します。
ニッチ市場を狙う
まず結論からいうと、中小企業のビジネスチャンスは、ニッチ市場にしかありません。
多くの経営者が、「AI」や「キャッシュレス」「フードデリバリー」など、今流行りの技術や事業に便乗しようと考えがちです。たしかに、そういった分野の需要は大きいし、将来性も間違いありません。
ところが、そういった「金の卵」とでもいうべき市場は、すでに大手企業が狙いを定めています。資金も知名度もない中小企業が戦いを挑んでも、よほど卓越した技術力でもない限り、まず勝てないと考えたほうがいいでしょう。
それよりも、まだほとんどライバルのいない市場を探して、そのニッチ市場で素早くトップ企業になったほうがよほど効率がいいと思いませんか。
大手企業がそのニッチ市場の魅力に気づいて参入してくる前に、ぜひNo.1企業になってください。そうすればまた違う市場に進出する際に、ニッチ市場で獲得した知名度を活かして、新規展開が楽になります。
◆ニッチ市場に関する記事は、こちらでもお読みいただけます
自分の好きなこと・やりたいことは後回し
新規ビジネス立ち上げのサポートをしている私からすると、自分のやりたいことを新規ビジネスにするのは、正直あまりオススメできません。
もちろんきちんとリサーチをして、ビジネスチャンスがあると確信した結果であれば、そのまま進めていっても大丈夫です。
「どうせなら自分の好きなことをビジネスにしたい」
この気持は非常によくわかりますし、個人としての起業であれば、それも立派な理由だと思います。
しかし企業として新規ビジネスを立ち上げるなら、個人の感情よりも消費者のニーズのほうが、より重要ではないでしょうか。
なぜなら、十分な消費者のニーズがなければ、どんなにいい商品でも事業を成立させるだけの量を買ってもらえないからです。
少々酷な話になりますが、経営者であれば、自分の好きなこと・やりたいことよりも、売れるかどうかを優先するという確固たる意識をもってください。
モノゴトの裏側から考えてみる
ニッチ市場での話と共通しますが、ライバル企業と同じ戦略を取れば、行き着く先は過酷な価格競争です。価格競争になれば、資金の潤沢な大手企業には、まず勝てないでしょう。
そういった負け戦を回避するためには、リサーチの段階で、アイデアをモノゴトの裏側から考えてみるのがオススメです。
かりに今、糖質制限が流行っているなら、あえて良質な糖質が摂れる食材を、脳をフル活動させる仕事(通訳・プログラマーなど)の人にアピールしてみるのはどうでしょうか。
ダイエット食品なら逆に太る食品を、大勢で楽しむ料理ならおひとり様料理というように、徹底的に逆を考えてみるのです。
こうした「逆張り発想」を駆使できれば、現状あまり見当たらない斬新なアイデアが見つかるかもしれませんね。
◆逆張り発想に関する記事は、こちらでもお読みいただけます
複数のアイデアを組み合わせたらどうなるか
逆張り発想の次には、複数のアイデアを組み合わせる「掛け算発想」を、ぜひ試してみてください。
モノやサービスが溢れかえる現代の日本において、まったく新しいアイデアをゼロからつくりあげるのは、正直かなりむずかしいです。
ところが、既存のアイデアをいくつか組み合わせると、今までになかった斬新なアイデアの生まれる可能性が格段にアップします。
今や世界有数の企業となったAmazonにしても、そのビジネスモデルを単純に分解すれば、「インターネットと通販」の組み合わせです。
現在では、「Amazonプライム・ビデオ」や「Kindle Unlimited」など、「定額課金制」(サブスクリプション)も組み合わせて、さらに事業を拡大しています。
このように今流行っているどんなビジネスも、突き詰めれば、複数のアイデアの組み合わせです。私たちも掛け算発想で、どんどん新しいアイデアを創り出していきましょう。
成功事例のよいところだけを参考に
既存のアイデアを活用するという意味では、これから紹介する「モノマネ発想」も、ぜひ取り入れたい手法のひとつです。
モノマネというと、どうしても「パクリ」のように、悪いものをイメージするかもしれません。しかし、日本を代表するセブン-イレブンにしても、元々はアメリカのビジネスモデルを日本に輸入したビジネスです。(もちろん成功は、日本独自の改善があってこそですが)
このように、海外の事例を日本にもちこんで成功に導く手法は「タイムマシン経営」などとよばれています。日本でいえば、前述のセブン-イレブン以外にも、マクドナルドやヤフーなどの有名企業も、タイムマシン経営に分類されるでしょう。
地域差を利用するタイムマシン経営は、うまくいけば、非常に大きな成功が見込めます。
とはいえ、私たちがこれからタイムマシン経営をおこなうのは、正直あまり現実的ではありません。それよりは、国内のニッチ市場で先行している企業のマネをするほうが、効果は高いと思います。
もちろん、丸ごとマネをしたら、それはパクリです。企業モラルを問われかねませんから、決してやらないでください。
モノマネは、あくまでもターゲット企業のよいところだけに、とどめておきましょう。
◆モノマネ発想に関する記事は、こちらでもお読みいただけます
最新情報にアンテナを張っておく
「ニッチ市場を狙う」では、流行りの分野に手を出すのはオススメしないと、いいました。それはここでも変わらないのですが、経営者としては、常に最新情報へアンテナだけは張っておくべきでしょう。
本来ビジネスは、伸びる市場への参入が一番リターンを見込めます。ただ、中小企業には、ライバルに勝てる要素が極端に少ないため、オススメできないだけです。
ただし前述の「掛け算発想」で考えれば、AIや5G・ブロックチェーンなどの最新技術も、ほかのアイデアとの組み合わせのいち要素として、十分検討の余地はあると思います。
また、すぐには活用できなくても、いずれ中小企業レベルでも気軽にビジネス化できるかもしれません。いざそうなったときに、チャンスを逃さぬよう、トレンドのチェックは忘れずに継続しておきましょう。
まとめ
新規事業を検討している経営者にとって、ビジネスチャンスの見つけ方は、永遠の課題です。ビジネスチャンスの見つけ方に、そもそも絶対的な決まりはないし、経営者のセンスによる面も決して少なくはありません。
しかし今回紹介したリサーチ方法と、ビジネスチャンスの見つけ方を実践すれば、必ず「これだ!」と思えるビジネスチャンスが見つかるはずです。
また、もう少し「ビジネスチャンスの見つけ方」を詳しく知りたいのであれば、無料Webセミナー「新規ビジネスの創り方」にてご確認ください。